13日の香港市場概況:香港ハンセン指数は上昇、域外からの資金流入続く

2015年4月13日 19:24

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記事提供元:フィスコ


*19:24JST 13日の香港市場概況:香港ハンセン指数は上昇、域外からの資金流入続く

13日の香港市場は上昇。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比743.95ポイント(2.73%)高の28016.34ポイント、本土企業株で構成されるH株指数が602.92ポイント(4.31%)高の14590.45ポイントと、そろって8日続伸した。ハンセンが28000台を回復して引けるのは、2007年12月以来、およそ7年4カ月ぶり。H株は6年11カ月ぶりの高値を切り上げる。売買代金は2636億3600万香港ドル(10日は2211億4500万香港ドル)。

前営業日までの好地合いを継ぐ。域外からの資金流入期待が強まっている。香港ドルの対米ドル為替レートが、連日で許容変動幅の上限(1米ドル=7.75香港ドル)近辺で推移しているため。市場関係者の間では、「域外のホットマネー流入が加速している」との見方が広がっている。香港金融管理局(HKMA)は先週9日、2014年8月以来となる米ドル買い・香港ドル売りを実施したのに続き、10日も介入に踏み切った。また、中国の政策に対する期待も一段と高まっている。

李克強首相が10日夜、「中国経済の下振れ圧力は強まっている」との認識を示す発言をしたことで、当局が景気テコ入れに向けた動きを加速するとの見方が広がった。取引時間中に公表された3月の貿易統計は、輸出額が前年同月比で15%減(予想は9.0%増)、輸入額が同12.7%減(予想は10.0%減)。そろってさえない結果となったことも政府が景気下支え策にを打ち出すとの思惑につながった。

ハンセン指数の構成銘柄では、取引所を運営する香港交易所(香港証券取引所:388/HK)が19.4%高、天然ガス事業を展開する昆侖能源(135/HK)が11.4%高と上げが目立つ。香港交易所株は、上場来高値を連日で更新した。

H株銀行セクターも買われる。自社行員向けA株増資を材料に、招商銀行(3968/HK)が24.7%高と急騰。7年半ぶりに上場来高値を更新した。招商銀行の増資について、中国国際金融(CICC)は「民間などからの出資を受け入れる『混合所有制改革』の一環だ」と分析している。他の国有銀についても、同様の従業員持株制度を導入すると予測された。中国銀行(3988/HK)が8.6%高、中国建設銀行(939/HK)が7.7%高、中国工商銀行(1398/HK)が5.7%高と急伸する。

鉄道関連セクターも高い。鉄道建設の中国鉄建(1186/HK)が11.6%、同業の中国中鉄(390/HK)が10.4%、鉄道車両メーカーの中国南車(1766/HK)が17.7%、同じく車両製造の中国北車(6199/HK)が16.7%ずつ値を上げた。それぞれ上場来の高値を切り上げている。馬凱・副首相が11日、「今年の鉄道投資は8000億人民元以上を保ち、新路線は8000キロ以上」の目標を達成させると発言したことが材料視されている。南車と北車に関しては、李克強・首相が10日、両社の合併計画に言及し、「世界トップレベルの車両メーカーに転身し、世界に漕ぎ出すことが可能になる」と評価したことも追い風。

【亜州IR】《KO》

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