NYの視点:FOMCハト派メンバー間でも利上げの見解が分かれる

2015年3月27日 07:36

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記事提供元:フィスコ


*07:36JST NYの視点:FOMCハト派メンバー間でも利上げの見解が分かれる

本年の連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーの大半をハト派が占めている。このため、本年の金融政策が緩和的になるのは否めない。しかし、利上げに関してはハト派の間でも見解が分かれているようだ。2015年のFOMC投票権を有しているアトランタ連銀のロックハート総裁はハト派として知られているが米国の雇用市場の回復や経済は利上げを吸収できるに十分なほど強いとの見解で、早くて6月の利上げも可能だと指摘した。

一方、やはりFOMC投票権を有しておりFOMCの中でも超ハト派で知られているシカゴ連銀のエバンス総裁は英国のフィナンシャルタイムズ紙とのインタビューで、インフレの圧力は利上げを正当化するほど上昇しないとの見通しを示した。「インフレが上昇するとの十分な自信が強まるような指標が見られる可能性は少ない」とし、「6月の利上げに投票しないことはほぼ確実だ」と述べている。

米国の金融政策に関する不透明感は依然強い。米ゴールドマンサックスのアナリストは2015年から2018年の米国の10年債利回りの見通しを発表。この中で、依然利回りの上昇を予想しているものの、従来の水準からは引き下げた。同社アナリストは米10年債利回りが年末に2.5%まで上昇すると見ている。従来の3%から引き下げ。ドルの上昇も従来予想されていたよりも緩やかなペースにとどまりそうだ。《KO》

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