カナモト、積水工機、JDIなど/本日の注目個別銘柄

2015年3月9日 16:31

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記事提供元:フィスコ


<8306> 三菱UFJ 781 +2.5他のメガバンク同様に売り先行となったが、その後は切り返す展開となる。朝方は、雇用統計の上振れを受けて早期利上げ懸念が再燃、米国株式市場が売り優勢となった流れに引きづられる格好に。国内の10-12月期GDP改定値の下振れなどもネガティブ視。ただ、同社に関しては、海外M&Aに3000億円で資産運用事業を拡大などと報じられているほか、SMBC日興証券では目標株価を930円まで引き上げており、押し目では見直しの動きも強まる。

<6740> JDI 481 +5買い優勢。石川にスマホの新工場を建設、投資額1700億円の大半は主要納入先であるアップルが負担する見通しと報じられている。16年夏に稼働して生産能力を2割強増やす計画と。すでに観測報道が伝わっている内容ではあるが、本日はアップルイベントの開催も予定と、関連銘柄が物色されやすい状況でもあり、あらためて期待感が先行しているようだ。

<6366> 千代田化工建設 997 +16続伸。みずほ証券では投資判断を「中立」から「買い」に格上げ、目標株価も1200円から1400円に引き上げ。原油安デメリット銘柄として株価の調整が目立っていた銘柄でもあり、インパクトにつながる形にも。みずほ証券では、手持ち工事に目立った低採算案件は見当たらず、豊富な受注残を背景に来期以降の業績は回復に向かうと予想。目先は、悪材料よりも好材料に反応しやすい局面にあると指摘している。

<6487> 積水工機 284 +78急伸。三光合成<7888>が完全子会社化を目的にTOBを実施と発表、TOB価格である285円に鞘寄せする展開となっている。同社ではTOBに対して賛同の意を表明しており、TOB価格に完全鞘寄せの流れが見込まれている。TOBが成立すれば同社は上場廃止となる。自動車関連部品の大型金型を、三光合成のネットワークを通じて海外などへ売り込んでいくようだ。

<1919> ヤマダエスバイエル 102 +8人気化。ヤマダ電機<9831>が住宅事業を強化と報じられている。同社で営業担当者を最大2割増員、高価格帯住宅を重点的に売り込む展示場を5倍に増やすもようだ。つれて、同社の2021.2期売上高を1000億円まで伸ばしたい考えとも。ヤマダ電機主導による業容再建期待をあらためて織り込みに行く展開へ。

<9678> カナモト 3410 +230大幅高。先週末に第1四半期の決算を発表、営業利益は63億円で前年同期比12%増益となっている。上半期は同2%増益であり、順調な進捗が確認される状況へ。先に決算を発表している西尾レントは第1四半期営業減益決算となっており、同社にも業績ピークアウト感などが連想され株価の調整が進んでいただけに、安心感につながる格好となっている。

<6728> アルバック 1809 +84買い優勢。JDI<6740>の新工場建設を受けて、メリット期待が高まる展開のようだ。ゴールドマンでは、同発表はJDIにおいて高い納入シェアを持っている同社にとってポジティブとしている。足元で中国や台湾勢が牽引しているFPD製造装置の受注モメンタムの維持に貢献するものと考えているようだ。

<8304> あおぞら銀 461 +19続伸。銀行株の中では強い動きが目立つ。SMBC日興証券が投資判断を「2」から「1」に格上げ、目標株価も445円から515円に引き上げている。TOPIX銀行株相対パフォーマンスのモメンタムは足元で大幅に鈍化しているが、今期当期純利益430億円超を維持できる確度がかなり高まったことに加えて、公的資金完済後の株主還元率引き上げを考慮すると、配当利回り水準の割安感が強いこと、NISA制度拡大で個人投資家からの配当利回り目当ての買い継続が想定されることから、再度アウトパフォーム基調に転じると考えているもよう。

<7272> ヤマハ発 3070 +72買い優勢。為替の円安進行が支援材料となっているほか、アナリストの目標株価引き上げなども複数散見されており、評価の高まる展開となっているようだ。シティでは、構造改革の成果が顕在化するのはむしろこれから、 利益増加による自己資本の積み増しは株主還元強化にもつながることで、次回中計では営業利益率10%、配当性向30%以上などが視野に入ると指摘。過去最高値の3830円更新が期待できるとしている。また、モルガン・スタンレー(MS)でも目標株価を2970円から3280円に引き上げているようだ。《FA》

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