双日ロジスティクス、カンボジア~タイを陸路で結ぶ定期混載輸送を開始 日系物流では初

2015年3月2日 12:09

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双日ロジスティクスは、カンボジア~タイを陸路で結ぶ定期混載輸送サービスを、日系物流会社で初めて開始する(写真:同社発表資料より)

双日ロジスティクスは、カンボジア~タイを陸路で結ぶ定期混載輸送サービスを、日系物流会社で初めて開始する(写真:同社発表資料より)[写真拡大]

  • タイ/カンボジア国境のアランヤプラテート(双日ロジスティクスの発表資料より)
  • プノンペン経済特区(双日ロジスティクスの発表資料より)

 双日ロジスティクスは27日、カンボジア~タイを陸路で結ぶ定期混載輸送サービスを、3月より日系物流会社で初めて開始すると発表した。これにより、南部回廊を利用したプノンペン~バンコク間、東西660kmを結ぶ効率的な一貫輸送が可能となる。

 同社は、2011年からホーチミン~プノンペン~バンコク間の大口貨物の陸送サービス「クロスボーダートランスポーテーションサービス」を開始し、実績を重ねてきた。一方、小口貨物については、カンボジア-タイ間の税関手続きの煩雑さにより、混載輸送が困難なため、プノンペン~バンコク間は海上輸送(シンガポール経由)に頼らざるを得ず、輸送に約20日間を要していた。今回は混載小口貨物を集約し、陸路の税関手続きの効率化を実現することで混載輸送が可能となり、輸送日数を約5日間に短縮する。

 現在、経済成長が続くメコン地域では、日本企業の更なる生産拠点確保のニーズが高まっている。とくに労働力の豊富なカンボジアでは、タイプラスワンとして、人材不足や賃金高騰に悩むタイの生産拠点を補完する分業体制が整いつつある。このような背景から、カンボジアのプノンペン経済特区には同国で最も多くの日系製造企業が集積しており、カンボジア~タイ間の少量多品種の小口貨物の物流サービスに対する需要が拡大している。

 2015年末のアセアン経済共同体の発足を控え、メコン地域ではインフラ整備が進んでおり、南部回廊のメコン川渡河地点にネアックルン橋がまもなく開通する。これにより、ホーチミン~バンコク間850kmの南部回廊がすべて陸路で繋がり、輸送量の飛躍的な増加が見込まれる。同社は、「クロスボーダートランスポーテーションサービス」を強化するとともに、他ルートを活用した陸路輸送についてもサービスを拡大していく考えだ。(記事:宮野 浩・記事一覧を見る

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