マイクロソフト、サイバー犯罪対策センターの日本拠点を開設

2015年2月19日 15:11

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サイバー脅威に関する情報解析(Cyber Threat Intelligence Program)の画面イメージ(日本マイクロソフトの発表資料より)

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 日本マイクロソフトは18日、マイクロソフトのサイバーセキュリティの取り組みにおける情報発信・連携拠点として「マイクロソフト サイバークライムセンター 日本サテライト」(以下 日本サテライト)を、マイクロソフトテクノロジーセンター(日本マイクロソフト品川本社オフィス内)で、同日より展開すると発表した。

 近年、政府機関や企業の機密情報を搾取するなどのサイバー攻撃は多様化・激化の一途にある。そのためマイクロソフトでは、2013年11月より、サイバー犯罪対策の研究センターとして米国本社に「サイバークライムセンター」を開設し、センターに在籍するサイバー犯罪対策部門「デジタルクライムユニット」の法律専門家、技術捜査員、データ分析専門家などが、マルウェアやボットネットなどのサイバー脅威の監視や情報収集、政府機関や企業と連携したテイクダウンなどの対抗策、防御策を行っている。

 サイバー攻撃は大規模な国際的イベントを標的にすることも多く、日本においても2020年に向けて政府機関や企業への攻撃がさらに増えることが想定されることから、日本マイクロソフトでは、米国やグローバルでのノウハウや知見の活用や、サイバークライムセンターとのさらなる連携により、日本の政府機関や企業のサイバーセキュリティ強化に貢献できるものと考え、情報発信と関係団体との連携の拠点として、日本サテライトを展開することにしたという。

 日本サテライトが政府機関や顧客企業に提供する機能は以下の通りとなる。

●サイバー脅威の最新情報から日本の情報/状況を解析し情報発信

 米国本社のサイバークライムセンターにおいて収集・解析している、サイバー脅威に関する情報解析の最新データをリアルタイムに確認・分析できる環境を日本サテライトに設置。最新データから、日本に関連する情報だけを抽出・分析し、日本に対するサイバー攻撃の 傾向などの情報を、セキュリティ関連団体等を通じて公表する。

●オンラインサービス事業者や捜査機関に「PhotoDNA」等サイバー犯罪対策の最新技術情報を提供

 マイクロソフトが開発したオンライン犯罪対策のツールとしてグローバルで活用されている、児童ポルノ画像検出技術「PhotoDNA」などのサイバー犯罪対策の最新技術情報を、オンラインサービス事業者や捜査機関に提供する。

●政府機関へのソースコードの開示などの技術支援・情報提供

 政府機関にマイクロソフト製品のソースコードの開示などを行うプログラム「Government Security Program」を提供することで、サイバーセキュリティ対策の理解促進と政府レベルでの対策のさらなる加速に貢献する。

●標的型攻撃体験ワークショップの開催

 サイバークライムセンターのデモコンテンツを活用した「標的型攻撃体験ワークショップ」を順次開催。顧客自身にサイバー攻撃に遭う体験をしてもらうことで、最新のサイバー攻撃の脅威と対策への理解を高める。

●本社デジタルクライムユニットと連携

 サイバー脅威の監視や情報収集などを、デジタルクライムユニットと連携。サイバー犯罪捜査などで国際的な対応が必要となる場合は、日本サテライトが日本における窓口の役割を担い、政府機関とデジタルクライムユニットとの連携を橋渡しすることで官民連携を支援する。(記事:町田光・記事一覧を見る

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