神戸物産<3038>業務スーパー事業がけん引、会社計画は保守的な印象

2015年2月12日 13:15

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記事提供元:フィスコ


*13:15JST 神戸物産<3038>業務スーパー事業がけん引、会社計画は保守的な印象
ラジオNIKKEI マーケットプレスの『フィスコ presents 注目企業分析』2月5日放送において、神戸物産<3038>を取り上げている。主な内容は以下の通り。

■会社概要
農畜産物の生産から製造加工、小売販売までを手掛け、製販一体の6次産業企業として国内トップ。食材販売の「業務スーパー」をFC展開するほか、外食事業、再生エネルギー事業なども展開。M&Aにも積極的で、2013年には外食事業を主に展開するジー・コミュニケーショングループをグループ会社化している。

■事業概要
同社の事業は、業務スーパー事業、神戸クック事業、クックイノベンチャー事業、エコ再生エネルギー事業の4つのセグメントで区分されている。

(1)業務スーパー事業
連結売上高の8割強、営業利益の9割強を占める主力事業となる。同社は「業務スーパー」のFC本部として商品の企画、開発及び調達等を行っている。業務用をメインとした商品開発からスタートし、中間流通マージンを除いた直仕入などによるローコストオペレーションにより「品質の良い商品をベストプライス」で提供する食品スーパーとして2000年以降成長し、キャッシュ&キャリー型店舗では国内シェア約67%と国内トップ企業としてその地位を確立している。主なFC企業としてはG-7ホールディングス<7508>子会社のG-7スーパーマート、オーシャンシステム<3096>などがある。

(2)神戸クック事業
「業務スーパー」で構築された原材料から商品に至るまでのローコスト体制を活かした中食、外食事業となる。現在は主に「神戸クックワールドビュッフェ」(2014年10月現在、14店舗)、出来立ての惣菜を提供する小型スーパーの「Green’s K」(同10店舗)、ビュッフェとセルフクックを融合したレストラン「Green’s K 鉄板ビュッフェ」(同8店舗)などで構成されている。また、新業態に関しては毎年1~2業態を企画し、店舗展開を試みている。

(3)クックイノベンチャー事業
2013年4月にグループ会社化したジー・コミュニケーショングループの事業となる。2014年10月期の売上構成比では約16%、営業利益では約11%を占めており、「業務スーパー」事業に次ぐ比率を占めている。ジー・コミュニケーション傘下のジー・テイスト<2694>が株式上場しており、居酒屋や回転ずしなどの外食事業で800店舗弱、学習塾や英会話スクールを中心とした教育事業で約100校舎の運営を行っている。

(4)エコ再生エネルギー事業
2012年より新規参入した再生エネルギー事業では、主に太陽光発電事業を推進しているほか、地熱発電やバイオマス発電の事業化を進めている。また、地熱を活かした温浴施設や温水ハウスなどの事業化も進めている。

■足元の業績動向
2014年10月期の連結業績は、売上高が前期比19.2%増の2140.28億円、営業利益が同2.6倍の51.78億円と過去最高業績を2期ぶりに更新した。消費増税後の消費者の節約ニーズの高まりに対応した販売施策をタイムリーに実行したことや、店舗の売り場づくりを見直した効果などで、主力の業務スーパー事業の業績が2ケタ増収増益と好調に推移したのが主因。さらに、前下期から加わったクックイノベンチャー事業がフル寄与したことも収益の上乗せ要因となった。

2015年10月期の業績は、売上高が前期比4.2%増の2230.00億円、営業利益が同17.8%増の61.00億円と増収増益を見込む。業務スーパー事業が引き続きけん引役となる。為替変動がリスク要因となるものの、2014年11月以降の月次業績は順調に推移しており、会社計画は保守的な印象も。

■株価動向は
前期の好業績を背景に、株価は昨年12月に強い上昇を見せた。12月25日に一時5680円の上場来高値を付けたが、短期的な過熱感から上昇が一服し、足元では25日線を挟んだ水準で推移している。1月31日を基準日として株式分割を実施しており、目先は売りが出やすいところ。ただ、一目均衡表では雲上限に接近しており、これが下値支持線として意識されやすい。4000円前半の水準では押し目拾いのスタンスで。

ラジオNIKKEI マーケットプレス
『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30~14:45放送《TM》

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