開発資金が枯渇寸前だったGnuPG、資金調達に成功

2015年2月9日 19:10

印刷

記事提供元:スラド

headless 曰く、 暗号化ソフトウェアGNU Privacy Guard(GnuPG)の開発資金が枯渇していることをProPublicaが紹介したところ、短期間で寄付が集まり資金調達に成功したそうだ(ProPublicaSlashdot記事1Slashdot記事2)。

 GnuPGを開発したのはドイツのWerner Koch氏。1997年、米国で輸出が規制されているPGPに代わる暗号化ソフトウェアの開発を呼びかけたRichard M. Stallman氏のドイツでの講演に触発され、Koch氏はGnuPGを開発。1999年にはドイツ政府の資金援助を受けてプログラマーを1名雇い、Windows版も開発された。2005年にもドイツ政府からの別の資金援助を受けることになったが、資金援助は2010年に打ち切られる。

 その後もKoch氏はプログラマーに給料を支払っていたが新たな資金は得られず、2012年にプログラマーを解雇。2013年には自身も開発を中止するつもりでいたが、エドワード・スノーデン氏による内部告発を知って開発の継続を決意したそうだ。昨年12月には2名の開発者でプロジェクトを運営するのに必要な12万ユーロの資金調達を目指して寄付を呼びかけたが、調達できた資金は目標の3分の1にも満たなかったという。

 この件に関する記事がProPublicaに掲載されたのは2月5日。その後1日で12万ユーロを超える寄付が集まったそうだ。また、Core Infrastructure Initiativeによる6万ドルの資金援助を受けることが決まったほか、FacebookとStripeが年間それぞれ5万ドルの資金援助を表明している。

 スラッシュドットのコメントを読む | オープンソースセクション | オープンソース | セキュリティ | GNU is Not Unix | 暗号 | デベロッパー | お金

 関連ストーリー:
GnuPG生誕10周年で、1.4.8と2.0.8同時リリース 2007年12月22日
多重署名問題を修正したGnuPG 1.4.7 2007年03月08日
GnuPG 2.0.0リリース 2006年11月14日

 

※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。

関連記事