城南進学研究社 Research Memo(6):乳幼児向け教育のブランドを活かした成長を目指す

2015年1月26日 18:35

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記事提供元:フィスコ


*18:35JST 城南進学研究社 Research Memo(6):乳幼児向け教育のブランドを活かした成長を目指す
■業態別動向

(5)「くぼたのうけん」部門

「くぼたのうけん」は脳科学者久保田競(くぼたきそう)博士の夫人で幼児教育者の久保田カヨ子氏が考案・実践する0歳児からの「育脳教室」だ。城南進学研究社<4720>は2009年から同氏と協業し、すべて同社の直営によって目黒・自由が丘・横浜の3教室を展開してきた。2015年3月期の第2四半期中に表参道教室を開校し、現在では4教室体制となっている。

同社は2009年の事業開始から約5年間でようやく4校という、他の事業に比べて非常にゆっくりとしたペースで事業を拡大させてきた。これは、「くぼたのうけん」のコンセプトが小学校受験生を対象とするいわゆる「お受験」塾とは異なり結果が見えにくい一方、知名度やブランド力の高い久保田式育脳法を大事に育て上げるためだったと考えられる。「くぼたのうけん」について、同社は2015年3月期以降、FC展開して行く方針を明らかにしている。

2015年3月期の第2四半期までのところ、FC展開は実現しておらず、直営による表参道教室の開校がなされたのみだ。同社はかねてより、「くぼたのうけん」の教育の質を確保するため、個人事業者ではなく、地方の有力企業によるFC展開を念頭に置いている。これまでのところは同社と教育への理念を共有し、かつ、しっかりした財政基盤を有するFC希望企業が出現していないということだ。

同社自身はこの点については特に焦りを感じてはいないもようだ。それは「生徒第一主義」という同社の経営理念を貫いているためである。この点について、弊社でも同社のそうした姿勢は正しいと評価している。数を追って無理な拡大をすることは、最終的には自社にマイナスとなって跳ね返ってくると想像されるからである。教育産業のように高潔なイメージが重要で口コミによる評価の影響が大きい業態ではなおさらだ。現状、「くぼたのうけん」部門は事業として持続可能な収益を確保できていると推測され、同社の慎重なスタンスは今後も堅持されるべきであると弊社では考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)《FA》

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