2014年版地震動予測地図が公表される

2014年12月23日 12:22

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記事提供元:スラド

masakun 曰く、 地震調査委員会は19日、30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率を地図上で示す「全国地震動予測地図」2014年版を公表した(毎日新聞FNN News)。

 この全国地震動予測地図は、地震の発生確率と地盤の揺れやすさの両方を考慮して作成されたもので、2005年より毎年公開されてきたもの。しかし2010年公開のものでは、東日本大震災のような低頻度で大規模な地震が考慮されていなかったため、「今後30年間に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率」が3%未満と相対的に高くない一部地域で震度6弱以上が観測される事態になってしまった。そのため今回の公表では「長期評価されていない、発生位置、規模、発生間隔などが明らかでない地震について、従来よりも大きな規模の地震まで考慮するなど、地震活動モデルの不確実性の考慮」といった工夫などが盛り込まれている(表紙 ・ 「全国地震動予測地図」の公表にあたって#これまでの経緯)。

 そのため、2013年に公表した従来版の地図と比べると、海溝型の震源断層によって地震の最大マグニチュードが大きくなったことによる「北海道南部・青森県太平洋側における確率の上昇」や、元禄型関東地震しか考慮していなかった相模トラフ沿いのM8クラスの地震について多様な地震を考慮するようにしたこと、想定地震の最大マグニチュードを大きくしたこと、フィリピン海プレートのモデルの深さが浅くなったことなどにより「関東地方における確率の上昇」がみられるという(全国地震動予測地図2014年版について)。

 ところで関東から東海・四国にかけて発生確率が高まっているが、これは海溝型地震の発生間隔が数十年から百年程度と短いため、沖合に海溝がある太平洋岸地域が高いというだけ。一方兵庫県南部地震のような陸域の浅いところで起こる地震は一般に1000年間隔とされているため、太平洋岸と比べれば確率は小さくなるが、活断層自体は各地にあるため日本のどこでも地震に見舞われる可能性がある。そのため地震動予測地図で発生確率が低いところでも、地震に対する防災意識を失わないようにすることが大切である(手引き編)。

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