【黒澤善行の永田町ウォッチ】民主党は党員・サポーターも投票する代表選を来年1月下旬までに実施、共産党は議席を倍増

2014年12月17日 19:32

印刷

記事提供元:さくらフィナンシャルニュース

【12月17日、さくらフィナンシャルニュース=東京】

一方、自民党優位の「1強多弱」打破を訴えた野党側は、準備不足や低投票率などが影響して、各党とも議席を積み上げることができなかった。野党間の候補者をすみ分ける選挙区調整も一部でしか実現できず、過半数以上の対立候補を擁立することができなかった。

民主党は、73議席(+11議席)を獲得したが、海江田代表が議席確保できなかったうえ、総理・閣僚経験者も小選挙区で落選するなどしたため、敗戦ムードに包まれた。15日、落選した民主党の海江田氏が代表職を辞任した。これを受け、民主党は、党員・サポーターも投票する代表選を、来年1月下旬までに行う実施する予定でいる。

このほか、維新の党は41議席(-1議席)、次世代の党は2議席(-17議席)、生活の党は2議席(-3議席)へと後退した。社民党は、辛うじて公示前の2議席を維持した。

他の野党が苦戦したなかで、自共対決を前面に打ち出した共産党は、21議席(+13議席)と倍増させた。無党派層を含めて政府・与党批判の受け皿となり、比例票を幅ひろく集めたほか、18年ぶりに選挙区(沖縄1区)でも勝利した。21議席を獲得したことで、党単独で予算を伴わない法案提出権を確保することとなった。経済政策や原発政策などで安倍政権との対決姿勢をさらに強めていく構えで、国会での野党共闘にも意欲を示している。【了】

黒澤善行(くろさわよしゆき)/愛知県春日井市生まれ。立命館大学政策科学部卒業、立命館大学政策科学研究科博士前期課程修了。毎日新聞社「週刊エコノミスト」記者、衆議院議員政策スタッフ、シンクタンク2005・日本(自民党系)研究員などを経て、従来の霞が関の機能を代替できる政策コンサル産業の成立を目指す株式会社政策工房の主任研究員に就任。主著に『できる総理大臣のつくり方』(春日出版、共編著)『ニッポンの変え方おしえます―はじめての立法レッスン』(春秋社)がある。政策工房Public Policy Review(http://seisaku-koubou.blog.jp)より、著者の許可を得て転載

■関連記事
【黒澤善行の永田町ウォッチ】与党、衆院選で3分の2以上の議席を維持
【コラム 黒薮哲哉】危険性が指摘させている青色LEDを電磁波問題の視点から考える、「すべての電磁波には遺伝子毒性がある」
安愚楽牧場をめぐる国家賠償訴訟、第2回口頭弁論が東京地裁で行われる

※この記事はSakura Financial Newsより提供を受けて配信しています。

関連記事