日立ハイテク、携帯型脳活動計測装置を開発

2014年11月26日 14:41

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日立ハイテクノロジーズが開発した携帯型脳活動計測装置(試作機)(同社発表資料より)

日立ハイテクノロジーズが開発した携帯型脳活動計測装置(試作機)(同社発表資料より)[写真拡大]

 日立ハイテクノロジーズは26日、ヘッドセットとスマートフォンで、簡単に前額部の血流変化をリアルタイムに計測することができる携帯型脳活動計測装置の試作機を開発したと発表した。

 今回開発した試作機は、脳科学産業応用事業の最新の開発成果で、近赤外光を使って前額部の2点を計測するヘッドセットと、計測結果を表示するスマートフォン(Android OS)のアプリケーションで構成される。ヘッドセットは約100gで、計測した信号を処理する主要回路をヘッドセット内に集約することで、携帯性を向上した。また計測した信号はスマートフォンのアプリケーションでリアルタイムに表示され、時間や場所を選ばずに脳活動の可視化が可能となった。

 日立グループでは、これまでも、日立製作所が、1995年に近赤外光を用いた脳機能計測技術「光トポグラフィ技術」を開発した。その後、日常環境に近い状態で計測できることをめざして、これまでに「頭部近赤外光計測装置」や、最大4人を同時に計測が可能な小型・携帯型の「ウェアラブル光トポグラフィ」シリーズを製品化した。また、2011年9月には、日本科学振興機構の研究成果展開事業を通して国立大学法人東北大学(東北大学総長:里見 進)加齢医学研究所 所長・川島隆太教授とともに、「超小型頭部近赤外光計測装置」の試作機を開発するなど、技術開発を推進してきた。

 今回の試作機は、日常生活に近い環境で計測可能となる。日立ハイテクは、認知トレーニングや学習など幅広い分野における同開発技術の活用に向けて、大学・研究機関の協力を得ながらさまざまな検証を進め、2016年の製品化を目指す方針だ。

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