自民公約、特別の教科『道徳』や『公共』設置も

2014年11月26日 13:11

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記事提供元:エコノミックニュース

 自民党の稲田朋美政調会長は25日、政権公約を発表した。公約は「景気回復、この道しかない」をキャッチフレーズに「経済再生と財政再建の両立、地方創生、女性活躍などをあげるとともに、そのほかの分野も含め、分野ごとに「政策BANK」として個別政策を約300項目にわたってあげている。

 教育では特別の教科に『道徳』を、科目に『公共』を設置し、特に「道徳を特別の教科と位置づけ、道徳教育を充実させる」としている。

 ただ、道徳や公共については科目を置くことにも賛否が分かれており、道徳では特に価値観の強制にならないか、教え方やその内容について議論百出しそう。国会での熟議が求められる。

 また普天間飛行場の代替施設については「名護市辺野古への移設を推進し、在日米軍の再編を着実に進める」としている。

 発表された政策は(1)経済再生・財政再建(2)地方創生・女性活躍推進(3)暮らしの安全・安心、教育再生(4)地球儀を俯瞰した積極的平和外交(5)政治・行政改革(6)憲法改正の6項目。

 稲田政調会長は「有権者との約束である以上、実現可能な公約を掲げることが責任政党の務め」とし「自信を持って掲げ、堂々と政策論争に臨んでいく」と強調した。

 経済再生と財政再建の項目では「両立させる」とし、雇用や所得の増加の伴う経済好循環の更なる拡大をめざすとしている。また、2017年4月には消費税10%への引き上げを行うと明記。軽減税率については関係事業者を含む国民の理解を得たうえで税率10%時に導入する。2017年度からの導入をめざし、対象品目、区分経理、安定財源などについて早急に具体的な検討を進めるとした。

 また、経済競争力向上のため恒久財源を確保したうえで、法人実効税率の引き下げに来年度から着手。数年で20%台にまで引き下げることを目指すとしている。

 また、終わりなき規制改革を断行するとし、2年間で農業、雇用、医療、エネルギーなど、あらゆる岩盤規制を打ち抜いていくとし、労働法制の見直しも改めて明確にした。

 また、『移民政策ではないことを前提に』と前置きしたうえで「労働力強化・付加価値向上の観点から経験・技術を持った外国人材が日本で活躍しやすい環境を整備する」としている。

 原発については「安全性の確保を大前提に、ベースロード電源との位置づけで活用していく」とし、「原発規制委員会が新規制基準に適合するとした原発は再稼働を進める」としている。

「原発依存度については可能な限り低減させる」としているが、エネルギー全体に占める比率をどこまで下げるのか、いつまでに下げるのか、数値目標は掲げていない。

 社会保障については「自助・自立を第1に、共助と公助を組み合わせ、税や社会保険料を負担する国民の立場にたって持続可能な社会保障制度を構築する」としている。

 教育では「学習指導要綱の改定に着手し、小学英語教育の早期化、高校日本史必修化、特別の教科『道徳』新科目『公共』の設置、教科書検定基準に基づく教科書検定を進める」とした。

 公務員制度改革では能力・実績主義に基づいた評価による信賞必罰の処遇と人事を厳格に実行する。公務員の再就職規制では渡り・裏下りも含め厳格に運用し、天下りに関する国民の疑念を払拭する。再任用では能力・実績に基づく信賞必罰の人事管理を徹底するとしている。

 憲法改正については国民の理解を得つつ、改正原案を国会に提出し、憲法改正のための国民投票を実施し、憲法改正を目指すとした。各分野にわたり、かなり細部に記述している。自民党のHPで閲覧できる。(編集担当:森高龍二)

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