アンタレス・ロケット、打ち上げに失敗 離昇直後に爆発

2014年10月29日 17:20

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記事提供元:sorae.jp

 アンタレス・ロケット、打ち上げに失敗 離昇直後に爆発(Image credit: NASA)

アンタレス・ロケット、打ち上げに失敗 離昇直後に爆発(Image credit: NASA)[写真拡大]

 オービタル・サイエンシズ社は10月28日、シグナス補給船運用3号機(Orb-3)を搭載したアンタレス・ロケットの打ち上げに失敗した。

 ロケットは米東部夏時間2014年10月28日18時22分(日本時間2014年10月29日7時22分)、米ヴァージニア州にある中部大西洋地域宇宙港(MARS)の0A発射台から離昇した。しかしその数秒後にエンジン付近から爆発を起こし、そのまま発射台の上に墜落した。

 発射台周辺では大きな火災が広がっており、現在も消火活動が続いている。なお、けが人は現時点では確認されていないとのことだ。

 シグナスOrb-3には、国際宇宙ステーション(ISS)への補給物資として、2,290kgの水や食料、実験機器などが搭載されていた。今回の失敗により、ISSに滞在している宇宙飛行士の活動に影響が出るかはまだ不明だ。

 原因はまだ明らかにはなっていないが、ロケットの第1段エンジンに何かが起きたことは間違いないようだ。

 アンタレスの第1段にはAJ-26というロケットエンジンが使われている。AJ-26は米国のエアロジェット・ロケットダイン社が製造したエンジンだが、もとを辿ればロシアのクズネツォーフ社が今から40年ほど前に製造し、その後倉庫で保管されていたNK-33というエンジンであり、米国はそれに細かな改修を施しただけで、実質ソヴィエト製といえるものだ。また第1段のタンク等の構造物は、ウクライナにあるユージュノイェ社が製造しており、気圧調整用のガスが入るタンクやバルブ、センサー、配管、配線類などのハードウェアも、ユージュノイェ社が製造を担当している。

 なお、今回との関連があるかはまだ不明だが、今年5月には、AJ-26が地上燃焼試験中に爆発する事故が起きている。

写真=NASA。

■Orbital Evaluating Mission Status | Orbital
https://blogs.nasa.gov/orbital/2014/10/28/orbital-evaluating-mission-status/

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