【木村隆のマーケット&銘柄観察】ファナックは今期業績を増額、全体相場にカツを入れる

2014年10月1日 15:02

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

  ファナック <6954> の増額修正が相場にいい影響を与えている。マクロ経済の伸び悩み傾向を映し、個別銘柄の業績動向に不安感が強まる中、同社の業績増額が相場に安心感を与えている。相場的にも、新値に挑戦の勢いがある。

  2015年3月期第1四半期業績は、売上げ前年同期比54%増の1633億円、営業利益が同92%増の664億円だった。IT関連需要が拡大し、スマートフォンの部品加工などに使われるロボドリルを含むロボマシン部門の売上高が570億円と同3.7倍に拡大。工作機械の頭脳となるCNC装置を含む主力のFA部門、ロボット部門も増収となり、業績は大幅に伸長した。

  業績の先行指標となる受注をみると、2015年3月期第1四半期の受注高は前年同期比58%増の1801億円、2015年3月期第4四半期に比べ26%増加した。同社のロボドリルの受注を含む中国向けの受注は7月が前年同期比2.1倍、8月が同3.0倍と拡大が続いている。

  第1四半期の好調を受け、9月25日に期初(4月25日)公表の今期期上期および通期の業績予想を上方修正した。通期の売上高を期初予想比1564億円増の6882億円(前期比53%増)、営業利益を同638億円増の2680億円(同63%増)に修正した。いずれも過去最高を更新する見込み。

  修正理由については、業績が全般的に好調に推移していることに加え、上期における一部IT産業の短期的な需要の増加が下期にも見込まれること、などを挙げている。

  10月下旬の発表が見込まれる上期業績については、期初予想を売上高で431億円増の3455億円(前年同期比60%増)、営業利益を同165億円増の1375億円(同84%増)に上方修正した。決算発表へ向け人気がさらに盛り上がる方向が予想される。(木村隆:日本証券新聞取締役編集局長を経て株式評論家)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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