名大、酵素サーチュインの増加でALSの延命効果が得られることを明らかに

2014年9月11日 18:10

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SIRT1を通常の3倍に増やしたマウス生存期間と罹病期間が平均して約15日間延長した(名古屋大学の発表資料より)

SIRT1を通常の3倍に増やしたマウス生存期間と罹病期間が平均して約15日間延長した(名古屋大学の発表資料より)[写真拡大]

 名古屋大学の渡邊征爾助教らによる研究グループは、サーチュイン(SIRT1)と呼ばれる酵素を脳で働かせることで、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の延命効果が得られることを明らかにした。

 アイス・バケツ・チャレンジでも注目を集めたALSは大脳と脊髄にある運動神経が徐々に働かなくなる原因不明の難病で、これまでの研究では異常タンパク質を除去したモデルマウスでは延命効果があることが知られているため、治療薬開発に応用可能な異常タンパク質除去方法が望まれていた。

 今回の研究では、様々な実験動物で寿命延長効果が示されてきた酵素SIRT1を通常の3倍に増やしたマウスを作成したところ、ALSの進行を遅らせることによって生存期間が約15日延長することが分かった。

 今後は、SIRT1を活性化する化合物を開発することで、ALSをはじめとする神経難病の治療薬ができると期待されている。

 なお、この内容は「Molecular Brain」に掲載された。

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