東北大、てんかん発作が起きる側頭葉が左右どちらか判別する方法を明らかに

2014年9月8日 19:37

印刷

左右側頭葉からの発作活動が心臓に至る経路の概要を示す図(東北大学の発表資料より)

左右側頭葉からの発作活動が心臓に至る経路の概要を示す図(東北大学の発表資料より)[写真拡大]

 東北大学の中里信和教授らによる研究グループは、海馬に異常をもつ側頭葉てんかん患者において、右側の側頭葉から発作が始まる場合にのみ脳波変化よりも早く心拍が上昇し始めることを明らかにした。

 側頭葉てんかんは治療のために手術が必要となることがあり、左右どちらの側頭葉が発作を引き起こしているのかを診断する必要がある。

 今回の研究では、ビデオ脳波モニタリング検査を受けた患者のデータ解析をしたところ、右の側頭葉から発作が起きる場合のみ、脳波上の発作変化が見られる前に心拍上昇が始まっていることが分かった。

 今後は、薬が効かない患者に手術をおこなう場合の診断精度向上や、発作の予知・予防に結びつく診断基準を開発できると期待されている。

 なお、この内容は9月5日に「Neurology」電子版に掲載された。

関連記事