京セラら、世界最大の水上メガソーラーの設置を開始

2014年9月1日 10:26

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記事提供元:エコノミックニュース

 東京センチュリーリース(TCL)<8439>と京セラ<6971>は29日、2012年8月に同出資により設立した太陽光発電事業を実施するためのSPC(特別目的会社)である京セラTCL ソーラー合同会社が仏シエル・テール・インターナショナルより水上架台(水上に太陽電池モジュールを設置するための浮体構造物「Hydrelio」の提供を受け、水上設置型メガソーラー発電事業に取り組むこととしたと発表した。

 その第一号案件として、兵庫県加東市の西平池と東平池において水上設置型メガソーラー発電所(合計2.9MW)の建設を本年9月より開始する。西平池に建設予定のメガソーラー発電所(約1.7MW)は、水上設置型では世界最大となる。

 2012年7月に日本におけるFIT(固定価格買取制度)が運用を開始して以来、京セラTCLソーラーでは全国28カ所(合計92.8 MW)で太陽光発電所を開発し、うち11カ所(合計21. MW)はすでに運転を開始している。メガソーラーの用地が減少していく中で、京セラTCL ソーラーでは、従来からの遊休地等を活用した地上置き型、工場・倉庫等の屋根を使用する屋根置き型の発電所の開発に加えて、新たに水上設置型メガソーラー発電事業に取り組むこととした。

 年間を通じて降水量の変化が大きい日本では、農業用ため池、河川増水時の調整池など全国に多くの池があり、これらの水面を使用し発電事業を行う。この事業では、現在100件を超える引き合いがあり、2014年度内には全国のため池等を対象に合計約60 MWの水上設置型メガソーラー発電所の開発を目指す。なお、シエル・テールのフロートは同社が開発し特許を有しており、フランスにおいてすでに3年以上の稼働実績があるという。

 この事業では、TCLは発電設備に対するリース・ファイナンスを提供し、京セラおよびそのグループ会社は太陽電池モジュールと周辺機器の供給、建設・保守・維持管理を担う。また、シエル・テールはフロートと水上設置に関わる技術を提供する。

 今回設置する水上設置型メガソーラー発電所は、所在地は兵庫県加東市(西平池、東平池の2ヶ所)、出力規模は西平池:約1.7 MW、東平池:約1.2 MWの合計約2.9 MW(予定)。太陽電池設置枚数は255Wの京セラ製太陽電池モジュール合計1万1256枚、年間予想発電量は合計約330万MW時の見込み。売電先は関西電力の予定で、2015年4月から発電開始する予定だ。(編集担当:慶尾六郎)

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