北大、アルツハイマー病の原因となる脳内アミロイドβ蓄積を軽減する手法を明らかに

2014年8月20日 00:10

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今回の研究の概念を示す図(北海道大学の発表資料より)

今回の研究の概念を示す図(北海道大学の発表資料より)[写真拡大]

 北海道大学の湯山耕平特任助教らによる研究グループは、神経培養細胞由来のナノ顆粒である「エクソソーム」を投与することで、アルツハイマー病の原因となるアミロイドβ蓄積が軽減されることを、脳内の研究によって明らかにした。

 これまで、神経細胞から放出されるエクソソームによって、アルツハイマー病の原因となるアミロイドβを除去することが明らかになっている。しかし、これは培養細胞による実験の結果であり、実際の脳内で同様の効果が得られるかどうかは不明であった。

 今回の研究では、アルツハイマー病モデルマウスの脳内にエクソソームを持続的に注入した。その結果、海馬領域でのアミロイドβ濃度の低下、シナプス障害の抑制、アミロイド斑が減少することが分かった。

 今後は、本研究成果を活かした全く新しいアルツハイマー病の予防・治療法が開発できると期待されている。

 なお、この内容は「The Journal of Biological Chemistry」に掲載された。

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