NYダウの一段安はなさそうだが、決算発表一巡からテーマ株の物色人気強まる展開か=犬丸正寛の相場展望

2014年8月1日 17:24

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

  週末にかけてNYダウが波乱となり日経平均も安くなった。しかし、NYダウに対し日経平均の堅調さが光っている。象徴する形で31日にはNN倍率(日経平均÷NYダウ)が0.94倍まで上昇、今年1月29日の0.97倍以来の高水準となっている。

  NN倍率の上昇は、NYダウに比べ日経平均が強いことを意味する。かつて、昭和40年代には日本経済の高成長からNN倍率10倍という時もあった。バブル崩壊による経済不振の時代には0.6倍台まで低下、世界のマーケットの中で日本株はカヤの外だった。

  ここに来てNN倍率が上昇ということで、アメリカ経済に続いて、今度は日本経済が復活するという期待が含まれている、とみることもできる。昨年の異次元金融緩和までは、これまでのアメリカと同じ政策を採っている。ただ、アメリカは立続けに3度の金融緩和を実施したが、日本はまだ1回にとどまっている。

  さらに、この間、アメリカはシエールガスという強力な武器を持った。日本には、まだ決めてとなる武器はないが、成長戦略が有力な武器となるかどうかが見所だろう。その確信めいたものが持てるようになればNN倍率が1.0倍を超え、日経平均がNYダウを上回るときがくるだろう。

  ただ、9月に内閣改造を予定しているとみられることから、この夏の間はNN倍率1.0倍超えは難しいのではなかろうか。

  アルゼンチンのデフォルト、欧州の金融不安等でNYダウは大きく下げたが、アメリカの足元での経済・企業々績がしっかりしているため、さらに大きく下げることはないだろう。米・10年国債利回りは直近の2,47%(7月17日)から2.59%へ上昇(債券価格は下落)、株式から資金が逃避している動きではない。

  こうした点から、まだしばらくはNYダウに対し日経平均は連動する展開だろう。第1四半期決算はまもなく発表が一巡する。成長戦略に関連したテーマ性の豊かな中小型銘柄への人気が続きそうな相場とみられる。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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