アンガラA5ロケット、プレセツク宇宙基地へ 年末の打ち上げに向け準備開始

2014年7月31日 20:55

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記事提供元:sorae.jp

アンガラA5ロケット、プレセツク宇宙基地へ 年末の打ち上げに向け準備開始(Image credit: Khrunichev State Research and Production Space Center)

アンガラA5ロケット、プレセツク宇宙基地へ 年末の打ち上げに向け準備開始(Image credit: Khrunichev State Research and Production Space Center)[写真拡大]

 ロシアのフルーニチェフ社は25日、アンガラA5ロケットをプレセツク宇宙基地に搬入したと発表した。今年末の打ち上げに向け、準備が始まる。

 アンガラA5ロケットは、モスクワにあるフルーニチェフ社の工場で行われた最終試験の完了後、2つの貨物列車に分けて積み込まれ、7月14日の夜に工場を出発。列車は夜通し走り続け、15日にプレセツク宇宙基地に到着した。

 アンガラは今月9日、試験機として1号機のアンガラ1.2PPが打ち上げられたばかりだ。アンガラ1.2PPは、アンガラ・ファミリーの中でもっとも打ち上げ能力が小さい機体で、また今回の打ち上げでは衛星を軌道に乗せず、カムチャツカ半島にあるミサイル試験場に着弾した。

 アンガラA5は、アンガラ・ロケットの重量級バージョンで、現在運用されているプロトン・ロケットとほぼ同じ打ち上げ能力を持ち、いずれはプロトンを代替する予定となっている。アンガラA5はその強大な打ち上げ能力を実現するため、アンガラ1.2の第1段を囲むように、第1段をさらに4基装備する。この4基を第1段、アンガラ1.2では第1段と呼ばれてた中央部分を第2段とし、その上に第3段のURM-2が載り、さらにその上に最上段としてブリーズM、もしくはKVTKが搭載される。

 打ち上げ能力は、近地点高度5,500km、軌道傾斜角25度の静止トランスファー軌道に、ブリーズM使用時は5.4t、KVTKでは7.5tを投入できる。また静止軌道への直接投入であれば、ブリーズMで3.0t、KVTKでは4.6tという能力を持つ。

 今年末に予定されているアンガラA5の打ち上げでは、ダミーではあるものの人工衛星を搭載し、ブリーズMによって静止軌道への投入を目指すという。

■Ракету-носителя тяжелого класса "Ангара-А5" доставили на космодром Плесецк
http://www.khrunichev.ru/main.php?id=1&nid=3098

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