スターティア:第1四半期は、当初利益計画から大幅上方修正となり、好スタート!

2014年7月31日 15:34

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

■過去最大の先行投資を行いながらも、フロー商材が好調につき、大幅赤字計画から一転しての黒字スタート

 電子書籍関連のスターティア<3393>(東1)が、本日大引け後に第1四半期(4月~6月)の業績発表を行った。

 同社は、通期計画では過去最高益の見込みながらも、中長期に亘る成長に必要な過去最大の先行投資を期初より集中して行うことにより、利益は下半期偏重型となるため、第1四半期は大幅赤字となることを期初より宣言していた。

 特に第1四半期より、ネットワークソリューション関連事業におけるセキュリティ投資、海外事業、国内営業拠点、開発拠点の展開を積極的に行うこととしていた。

 2014年5月22日発表の資料によれば、大型先行投資により第1四半期(4月~6月)の見込みは、売上高18億84百万円ながらも営業損失99百万円を計画としていたが、売上高実績19億11百万円、営業利益6百万円と一転して黒字発表となった。

 特別利益も積み上げ、税前純利益72百万円と好スタートとなった。

 同社取締役の後久正明氏によれば、セキュリティ、海外への投資はもとより、神戸営業所やR&Dセンターの展開、新卒84人の増員を行うなど、中長期の成長に向けた投資を積極的に行いながらも、フロー商材が好調に推移したとのこと。

 フロー商材では、特にウェブソリューション関連事業では拡張現実技術を活かした「ActiBook AR COCOAR」、またネットワークソリューション関連事業では、NW機器の販売が好調に推移したもようである。 ■電子ポータルサイト「ActiBooks(アクティブックス)」開設が起爆剤となるか

 電子ブック作成ソフト「ActiBook」を主力として、Webアプリケーション開発などのウェブソリューション関連事業、クラウドサービスなどのネットワークソリューション関連事業、OA機器・MFP(複合機)販売などのビジネスソリューション関連事業を展開しているが、大手と競合しない中堅・中小企業向けを中心にストック型収益の向上を推進し、ASEAN市場へも本格的に事業展開する方針を貫いている。

 2014年6月には電子ブックポータルサイト「ActiBooks(アクティブックス)」を開設した。電子ブック作成ソフト「ActiBook」で作成した電子カタログ・電子ブックを無料で掲載できるポータルサイトであり、いきなり11万冊以上が公開されるとのことである。これまで電子ブックの作成ソフトのトップシェアで開発専門に徹してきたスターティアが、今後どのような展開をスタートするかに注目が集まる。

■第1四半期で早くも営業利益が計画より1億円以上の上振れ

 電子ブック作成ソフト「ActiBook」を中心とするウェブソリューション関連事業の好調が牽引して2桁増収見通しだ。前期第4四半期(1月~3月)の駆け込み需要の反動や、中期成長に向けた先行投資負担などで利益は微増益見通しとしているが、第1四半期にて既に当初計画より営業利益で1億円以上の上振れが発生しており、人員増・拠点増やストック売上による増収効果で、中間・通期利益の上振れ余地があるだろう。

■2ヵ年累計連結経常利益20億円に向けて

 後久取締役によれば、2014年5月に「2014年度~2015年度2ヵ年経常利益計画」を発表し、目標値として2ヵ年累計連結経常利益20億円(15年3月期8億66百万円、16年3月期11億34百万円)を掲げている。さらなる規模拡大と安定的な成長に向けて、ストック型売上の拡大にとどまらず、拠点展開・人員増、官公庁へのアプローチ、国内外での代理店開発、M&Aも含めた積極的な資本・業務提携を推進し、継続成長のための先行投資を継続し、当期中に中期3カ年計画を発表できるようにしたいとしている。

■健全な財務体質、計画実行能力は折り紙つき

 スターティアは無借金であり自己資本比率78.1%と財務体質は健全そのもの。またこれまで5年間の業績は全て上方修正しており計画実行能力は折り紙つきである。第1四半期からの好スタートでの業績上振れ期待もある。配当についても柔軟な対応を示しており、前期は東証一部上場記念による増配などを実施しており、当期においても初めての中間配当を実施することを発表しており、また20周年記念による増配があるのではないかと期待も膨らむ。

■株価動意スタートか?!

 株価の動き(2014年2月28日付で東証マザーズ市場から東証1部市場へ市場変更)を見ると、5月20日の年初来安値1305円から切り返しの展開となり、6月以降は概ね1500円~1600円近辺で推移している。やや戻りの鈍い展開だが、5月安値水準まで下押す動きは見られない。下値固めは完了しており、既にモミ合い煮詰まり感も強めていたが、同社の成長を確認できた今、いよいよ中期3ヵ年計画発表を意識した高値に向けた動意のタイミングといえよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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