ガソリンエンジン登録車「世界最高燃費」を達成したトヨタ・パッソ

2014年4月17日 11:36

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記事提供元:エコノミックニュース

トヨタ発、非ハイブリッドでも省燃費を実現したパッソ。写真はリッター車最高グレードの「X“G Package”」FF車(135万6873円/税込み)

トヨタ発、非ハイブリッドでも省燃費を実現したパッソ。写真はリッター車最高グレードの「X“G Package”」FF車(135万6873円/税込み)[写真拡大]

 トヨタの新世代ガソリンエンジンを搭載した新型パッソがマイナーチェンジで生まれ変わった。

 今回の仕様変更のトピックは、何と言ってもハイブリッドシステムなどのコストの掛かるメカニズムに頼らない“省燃費”に尽きる。1リッターエンジン搭載車のNewパッソFFモデル(X“V Package”車を除く)は、いわゆる登録車(軽自動車を除く乗用車)ガソリンエンジンモデルで世界最高の燃費を達成。そのJC08モード燃費数値は、27.6km/リッターとし、CO2排出量も84g/kmを達成している。

 搭載エンジンはダイハツと共同開発した1KR-FE型996ccの直列3気筒DOHCガソリンエンジン。小排気量エンジンながら内径×行程が71.0×83.9mmと比較的ロングストロークなレイアウトで11.5という高い圧縮比が特徴のエンジンだ。この高圧縮比で熱効率を稼いで、最大トルク9.4kg.m(92Nm)/4400rpmを達成。最高出力は69ps(51kW)/6000rpmとしている。

 おもな省燃費メカニズムのポイントは、先に述べたエンジン圧縮比の向上のほか、エンジンメカ全般の低フリクション化、バルブタイミングの最適化を図ったほか、クールドEGR(排出ガス再循環システム)、エキゾーストマニホールド一体型シリンダーヘッドの採用により、熱効率を最大化。さらに、減速時のエネルギーをバッテリーに戻す回生機能の強化、空力性能の改善を行ない、1リッターFF車(X“V Package”車を除く)に停止前車速約9km/hでエンジンを停止するアイドリングストップ機能(Toyota Stop & Start System)を標準装備するなど、数多くの燃費向上技術である。

 今回のマイナーチェンジでは低燃費を追求した結果、1リッターFF車(除くX“V package”)でガソリンは、従来型から燃費を約30% 向上し、「平成27年度燃費基準+20%」を達成。同時に「平成17年基準排出ガス75%低減レベル」の認定を取得した。その結果、「エコカー減税」の免税(100%減税)措置の対象車となった。加えて4WD 車の燃費も向上したことで減税対象となった。

 また、全車にVSC(ヴィークルスタビリティコントロール/横滑り防止装置)やTRC(トラクションコントロール)、緊急ブレーキシグナルを標準装備して安全性を向上させている。同時に、オート電動格納式ドアミラーやスーパーUVカット・IRカット機能付フロントドアガラスを新設定するなど、快適性もアップしている。

 デザイン面では「パッソ X、G」と「パッソ +Hana」の2つの異なったイメージを訴求。「パッソ X、G」は ワイド感と低重心を強調したフロントバンパーや切れ長感のあるヘッドランプなどで端正なフロントビューを実現。「パッソ +Hana」は丸いモチーフのアッパーグリルやフォグランプとロアグリルを連続させたかわいらしさを表現した。

 価格は109万8655円(税込み)からで、高価なハイブリッドシステムに頼らない省燃費モデルの第1号車のデビューである。(編集担当:吉田恒)

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