日銀、3月企業物価指数を発表 円安効果は低下

2014年4月14日 08:54

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記事提供元:エコノミックニュース

 11日、日本銀行が発表した3月の企業物価指数(速報値、10年平均=100)によれば、国内企業物価指数は円安や原油の値上がりで輸入する燃料の上昇傾向が続いたことなどから、前年比1.7%アップの102.8であったことが分かった。しかし多くの品目で値上げがみられたものの、前年比での円安影響による価格上昇効果は低下しつつあることから、プラス幅は4ヶ月連続の縮小となった。前月比では0.0%と横ばいであった。企業物価指数は、企業間で取引される製品の価格水準を示すものである。

 調査対象である全820品目中、396品目が前年比よりも値上がりし、306品目が値下がりした。こうして2013年9月以来7ヶ月連続で、値上がりした品目が値下がりした品目を上回ることとなった。日本銀行の分析によれば、高い建築需要を背景として建材関連の価格が好調に推移、また指数への影響は小さいながらも、小麦の値上がりにより価格転嫁することの難しかった菓子パンで、容量減少による実質的な値上げが行われたとのこと。

 品目別で見てみると、円安や原油の値上がりの影響により燃料の輸入コストの上がった「電力・都市ガス・水道」が前年同月比12.6%アップの128.9、ガソリンや灯油などの「石油・石炭製品」も前年同月比5.6%アップの132.3であった。そして首都圏の再開発事業や公共事業の増加により需要の伸びた「鉄鋼」は、前年同月比5.2%アップの100.5であった。しかし前年比での円安幅は縮小傾向にあり、「スクラップ類」や「非鉄金属」や「化学製品」などでは指数は横ばいとなった。

 また円建ての輸入物価は前年比4.4%と、2月の6.2%よりも縮小した。前月比では2ヶ月連続での下落となる。「原油」や「液体天然ガス(LNG)」、「非鉄金属」「化学製品」などの下落が影響した模様。

 また同日に発表された13年度の企業物価指数は、前年比1.9%アップの102.4であった。上昇するのは2年ぶりで、また5年ぶりの高水準であった。円建て輸入物価指数は前年比13.5%アップで、05年度の17.3%以来の大幅増。指数は125.0で、1985年度の146.0以来の水準だった。(編集担当:滝川幸平)

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