日本版「カジノ」が登場? 場所はお台場、それとも地方都市?

2013年12月16日 21:47

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記事提供元:エコノミックニュース

 超党派による通称「カジノ法案」が2014年1月の通常国会で成立するようだ。

 自民党は11月末の総務会で、日本にカジノを解禁する「特定複合観光施設区域整備法案」を了承したという。運営における監視体制を整備するため、運営業者を免許制とすることなどを盛り込んだ。今国会に日本維新の会と共同で提出し、民主党などにも賛同を呼び掛け、来年の通常国会での成立を目指す。

 海外では120以上の国や地域でカジノが合法化されている。ただ、日本では刑法上の賭博とみなされ、実現には「競馬法」のような別途法律の制定が必要だ。そんななか、自民党と日本維新の会、生活の党と一部の無所属議員は2013年12月5日、カジノを国内で解禁するための「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案」を衆議院に提出した。1月召集の通常国会で審議し成立を目指すという。

 そこで熱を帯びてきたのが、「カジノ第1号」を巡る候補地争いだ。以前から、前・石原都知事が構想をぶち上げていた「お台場カジノ」が、2020年東京オリンピック開催決定でリードしているようだ。が、沖縄や北海道、大阪も意欲的。さらには東京・築地案も浮上しているという。

 今回、提出された「カジノ法案」によると、民間事業者が国の認定を受けた地域で許可を受けたカジノ施設や宿泊施設などを統括した「特定複合観光施設」を設置運営できる。

 現在、グローバルな視点で見ると、カジノはホテルや国際会議場、スポーツ施設などを備えた統合型リゾートが主流になっている。そのため、「第1号」の有力候補とみられているのが、2020年の東京五輪の開催で周辺地域の整備が決まっている東京「お台場」というわけだ。

 一方、東京・築地は、2015年度以内に豊洲への移転が決まっている築地市場跡地の再開発が未定のまま。そこで、ここにカジノを誘致しようという構想だ。築地市場跡地は今のところ住宅棟や商業棟を建設することが検討されている。が、築地市場があってこそ外国人観光客でにぎわう観光スポットが同地の特性。築地エリアは市場で潤っているという事情が大きい。そこに浮上したのが「カジノ構想」ということのようだ。銀座や日本橋に近く、食事や買い物帰りにも寄れる立地の市場跡地にカジノ付きのホテルを建設。「大人のアミューズメントパーク」をアピールしようというわけだ。

 また、東京の一極集中への批判から、「カジノは地方へ」との声も大きくなっている。カジノ賛成派の日本維新の会の共同代表である橋下徹・大阪市長が牽引する「大阪カジノ」。観光振興策として沖縄。同様に観光客誘致を狙う北海道では釧路、小樽、苫小牧の3市が誘致に積極的だという。九州・宮崎市の「フェニックス・シーガイア・リゾート」や、長崎県佐世保市の「ハウステンボス」も意欲的だ。

 国内のシンクタンクの試算では、カジノが日本で開設された場合の経済波及効果は最大で約7兆7000億円にのぼるという。地方経済にとって大きな効果となるのは間違いない。(編集担当:吉田恒)

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