【話題】日経平均がユニクロ指数と呼ばれる理由

2013年3月10日 16:19

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

  3月8日の株式市場は大幅上昇した。日経平均株価は前日比315円54銭(2.64%)高の1万2283円62銭となり、リーマン・ショック直前の水準(08年9月12日の1万2214円76銭)を回復した。一方、TOPIXは前日比16.15ポイント(1.61%)上昇して1020.50となった。

  また日経平均株価は2月28日から3月8日まで7営業日続伸となり、7日間合計の上昇幅は1029円65銭(9.15%)に達している。一方、この間のTOPIXの上昇幅は66.78ポイント(7.01%)にとどまり、NT倍率は2月27日時点の11.80倍から3月8日時点の12.04倍に上昇した。

  日経平均株価の大幅上昇を牽引しているのはファーストリテイリング <9983> である。8日の株価は前日比2810円(9.79%)上昇して、1銘柄で日経平均株価を112円51銭押し上げた。また2月28日から3月8日まで7日間合計の上昇幅は6920円(28.16%)に達している。そして日経平均株価の構成率は10.27%まで上昇し、2位ファナック <6954> の4.69%、3位ソフトバンク <9984> の3.69%、4位京セラ <6971> の2.70%を大きく引き離した。

  日経平均株価を構成する225銘柄についてはかつて、流動性が低く株価を動かしやすい銘柄に左右されやすい、ハイテク関連の構成比が高すぎるなどの指摘を受けて構成銘柄の大幅入れ替えを実施したこともあるが、最近では特定の値がさ株の影響が大きくなり、特にファーストリテイリングの影響を一段と強めているため日経平均株価を「ユニクロ指数」と呼ぶ人もいるようだ。米国株式市場の代表的な株価指数であるダウ工業株30種平均株価も、歴史的な重みという点を除けば、たった30銘柄で市場全体の動きを示しているとは言い難く、ベンチマークとしてはS&P500株価指数を使用することが多い。日本でもベンチマークとしてはTOPIXを使用することが多いが、日経平均株価で特定銘柄の構成比がこれだけ高くなれば、代表的な株価指数としての位置付けが難しくなるのではないだろうか。

  ちなみに、ファーストリテイリングが日経平均株価の構成銘柄でなければ、どれくらいの株価になるのだろう、今とは違った水準になるのだろうか。ファーストリテイリングの8日の終値3万1500円の今期予想連結PER(会社予想13年8月期連結EPS854円14銭で算出)は36.9倍である。ファーストリテイリングと比較されることが多い良品計画 <7453> は8日終値6510円で前期推定連結PER(会社予想13年2月期連結EPS393円73銭で算出)は16.5倍、ユナイテッドアローズ <7606> は8日終値2699円で今期予想連結PER(会社予想13年3月期連結EPS216円40銭で算出)は12.5倍、しまむら <8227> は8日終値1万150円で前期推定連結PER(会社予想13年2月期連結EPS739円58銭で算出)は13.7倍である。もちろん予想PERだけで単純には比較できないが、98年~00年頃のフリースや08年~10年頃のヒートテックのような超ド級のヒット商品は毎年のように出てくるわけではなく、予想PER36倍台をどのように判断すればよいのだろうか。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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