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第一三共、筋ジストロフィー治療薬開発へ 産業革新機構と新会社設立
第一三共は14日、産業革新機構等との共同投資による新会社(会社名:株式会社Orphan Disease Treatment Institute)を設立し、同新会社と共同で第一三共の独自技術を用いた修飾核酸であるENAオリゴヌクレオチドを有効成分とするデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)治療剤の開発に着手することを決定したと発表した。
産業革新機構は新会社の第三者割当を引受け、総額16.5億円を上限とする投資を行う。また、新会社は、三菱UFJキャピタルの運用するファンドに対しても第三者割当増資を行う予定。第一三共は新会社に投資を行うとともに、新会社と臨床でのPOC(Proof of Concept)取得を目的とする共同開発を実施する。
デュシェンヌ型筋ジストロフィーは、民族差なく、新生男児の約3,500人に1人で発症することが知られている。2~5歳から軽度の自立障害が起こり、年齢を重ねるとともに筋萎縮が進行して各種運動障害がおきるとともに、最終的には心不全・呼吸不全等により、多くは20~30歳代で死に至る極めて重篤な伴性劣性の遺伝性希少疾患。なお、デュシェンヌ型筋ジストロフィーの発症原因は、患者の筋細胞においてジストロフィンタンパク質が産生されないことであることが分かっているが根本的な治療法はなく、有効な治療法もない。
松尾雅文教授(神戸学院大学総合リハビリテーション学部)および竹島泰弘特命教授(神戸大学大学院医学研究科)は2006年、エクソンスキッピングと呼ばれる作用機作により、デュシェンヌ型筋ジストロフィー患者にアンチセンスオリゴヌクレオチドを投与することによってジストロフィンタンパク質が発現することを世界で初めて見出した。第一三共と新会社は、両教授の協力のもと、POC取得を目的に、両教授と第一三共との共同研究で見出された治療剤(エクソンスキッピング活性を保有)について、国内での非臨床・臨床試験を共同で実施する。
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