トヨタ、燃料電池バスの外部電源供給システムを開発

2012年9月3日 11:07

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FCバスの「外部電源供給システム」および「V2Hシステム」を使った電力供給のイメージ図(画像:トヨタ自動車)

FCバスの「外部電源供給システム」および「V2Hシステム」を使った電力供給のイメージ図(画像:トヨタ自動車)[写真拡大]

 トヨタ自動車は31日、燃料電池バス(FCバス)の燃料電池で発電した電力を家電製品などに供給できる外部電源供給システムを開発したと発表した。同システムは、中部国際空港、東京都心~羽田空港間、豊田市内などで運行している燃料電池ハイブリッドバス「FCHV-BUS」をベースに開発したものであり、車内に交流電力(AC100V、1.5kW)を出力するコンセントを2箇所設置し、最大出力3kWの電力を供給する。家電製品などに3kWで連続して電力供給する場合、100時間以上使用する能力を有している。

 水素を利用し電気エネルギーに変換して走行する燃料電池自動車(FCV)は、今後の自動車用燃料の多様化・ゼロエミッションの実現に向けた有力なエコカーの一つ。さらに、FCVは電気自動車(EV)などに比べ大容量の電力供給が可能であり、中でも水素搭載量が大きいFCバスは、災害時の避難所などでの移動電源車として活用が期待されている。

 さらにトヨタは、FCバスから建物の電気配線を通じて電力を供給するV2H(Vehicle to Home)システムの開発も進めており、最大出力9.8kWで連続約50時間の電力供給能力を目指している。この供給量は、学校体育館における照明電力の約5日分に相当する。

 今後は、経済産業省の「次世代エネルギー・社会システム実証事業」として採択されている「豊田市低炭素社会システム実証プロジェクト」の一環として、2013年度から2014年度にかけて災害時に避難所となる施設への電力供給を想定した実証実験を行う予定。

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