IHI、手のひらサイズの超小型ガスタービン発電機を開発

2012年2月17日 18:35

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発電機内蔵ガスタービン(画像:IHI)

発電機内蔵ガスタービン(画像:IHI)[写真拡大]

  • 携行型超小型ガスタービン発電機プロトタイプパッケージ(画像:IHI)

 IHIは16日、世界初となるデスクトップサイズの超小型ガスタービン発電機のプロトタイプパッケージの自律発電実証に成功したと発表した。IHIでは、2007年からジェットエンジンやターボチャージャーなどの事業を通じて培った超高速回転機械技術を活かし、携行型超小型ガスタービン発電機の研究開発に取り組んできた。

 携行型超小型ガスタービン発電機の特徴は、発電機内蔵ガスタービンが直径約8cm×長さ12cmと手のひらサイズであること。また、プロトタイプパッケージ試作品はプロパンガスを燃料としているが、灯油・軽油で発電機内蔵ガスタービン試験実証済であり、多様な燃料への対応性がある。さらに、ボタン一つで起動・停止が可能。起動から定格発電開始までに約30秒、停止までに約2分半と、良好な操作性と起動性を実現している。

 携行型超小型ガスタービン発電機は、軽量・高出力というガスタービン発電の特長を活かすことにより、レシプロエンジン・燃料電池等の発電機や二次電池を大きく凌ぐ重量当りのパワー密度(最大出力)・エネルギー密度(連続使用時間)が得られるポテンシャルを有している。個人向け携行型発電機/充電器、ロボット用電源などに加えて、車両が入れない地域での活用など様々な用途が期待されている。

 IHIでは、今回のプロトタイプ携行型超小型発電機の実証試験成功をもとに、今後、さらなる小型・軽量化および大出力化を図るとともに、各種アプリケーションの要求仕様を踏まえて、製品化に向けた技術開発に取り組んでいく。

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