「良い子、悪い子、普通の子」と保有銘柄を選別!=浅妻昭治

2011年12月12日 13:41

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

年内相場も、あと残り3週間である。まだ3週間も残っているとするか、わずか3週間しか残っていないとみるかは、投資家個々の今年の投資パフォーマンス次第ということになるだろう。

年内相場も、あと残り3週間である。まだ3週間も残っているとするか、わずか3週間しか残っていないとみるかは、投資家個々の今年の投資パフォーマンス次第ということになるだろう。[写真拡大]

【浅妻昭治(株式評論家・日本インタビュ新聞社記者)のマーケット・センサー】

  年内相場も、あと残り3週間である。まだ3週間も残っているとするか、わずか3週間しか残っていないとみるかは、投資家個々の今年の投資パフォーマンス次第ということになるだろう。元気のある投資家は、年内なおもう1回転、2回転もと「掉尾の一振」に手ぐすねを引いているだろし、「やられ、やられ」の投資家は、残り3週間では損失の挽回はまず無理と諦めの気分を強めているに違いない。

  いずれにしろ自らのポートフォリオを改めて見直し、かつての萩本欣一のバラエティ番組ではないが、「良い子、悪い子、普通の子」と保有銘柄を選別して年末年始相場に備えることになる。米国には「投資家は失望した投機家である」という相場格言があるそうだが、ほんの短期の値幅取り狙いが、ついつい長居をしてしまって、師走相場でついには塩漬けも覚悟しなくてはならない「悪い子」銘柄を抱えている投資家も少なくないかもしれない。

  今年、公募増資を実施した銘柄にも「良い子、悪い子、普通の子」が混在している。公募増資を引き受けた投資家が、引き受けた発行価格以上に値上がり益を享受でき、資金調達をして展開力を強化した発行会社ともども「ウインーウイン」関係を構築した銘柄を「良い子」、まったく逆に発行会社からやらずぶったくりの「ウインーロス」関係を強要されたのが、「悪い子」銘柄とする判断基準で区別するのである。

  「悪い子」銘柄の代表は、エルピーダメモリ <6665> である。2月に台湾預託証券上場で新株式を発行(発行価格1209円)し、8月には広島工場への最先端製造設備導入を目的に新株式を発行(同746円)したが、前週末9日終値は401円と大きく下方乖離している。DRAM市況の悪化や東日本大震災の発生を理由に「想定外」と釈明するだけでは株価はリバウンドしてくれそうもない。

  「良い子」銘柄の代表は、五洋建設 <1893> だろう。年初の1月24日払い込みで新株式を発行(発行価格124円)したが、11月には年初来高値267円まで2.1倍化した。調達資金は、東南アジアの社会インフラ整備向けに多目的自航式起重船や浚渫ロボットの建造などに投資するとしたが、まさに東日本大震災の復旧・復興需要を先取りしたようなもので、「ウイン-ウイン」関係ということになる。(執筆者:浅妻昭治 株式評論家・日本インタビュ新聞 編集長)

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