TDK、スペインに新工場を開設 再生エネルギー分野向けパワーコンデンサを開発・製造

2011年11月7日 11:36

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スペインのマラガ新工場(写真提供:TDK)

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 TDKは4日、同社のグループ会社であるTDK-EPCが、スペイン・マラガに2つ目となる工場を開設し、開業式を行ったと発表した。パワーコンデンサの開発・製造を手掛ける新工場は、Parque Tecnologico de Andalucia工業団地内に位置し、6,000m2の製造フロアとなっている。ラボとオフィスの入った1,500m2の別棟では研究開発を行う。1、2年の移行期間を経て、マラガにおける生産と研究開発機能をすべて新工場に集約する予定。

 TDKのマラガ工場では、産業用駆動装置や鉄道車両・車載用電子機器といった従来のアプリケーション分野のほか、近年注目される再生エネルギー分野など、重要な成長市場に製品を供給する。

 式典で挨拶に立ったクラウス・ツィーグラーTDK-EPC取締役会長は、「最先端の工場と有能で意欲的なチームにより、当社の競争力はさらに向上する」と述べ、マラガの高い研究開発力や幅広い製品ラインアップを「当社の成功を支える原動力」だとし、同工場の重要性を強調した。

 新工場では、主に風力発電機や太陽光発電施設、送電効率を改善するシステムなど使われるパワーコンデンサを生産する。例えば高圧直流送電(HVDC)システムは、沖合の風力発電基地から本土の送電網へ電力を送り出す場合など、長距離送電に有利な技術で送電損失が極めて低く、1,000kmの送電距離でわずか3%程度と、従来の交流送電の約半分に抑えることができるが、マラガで生産されるパワーコンデンサは、このような送電効率を改善するシステムにも使われる重要な部品となる。

 TDKは、新工場の操業により、スペイン市場における長年のプレゼンスのさらなる強化・維持を目指す。同社は新工場の建設に2,000万超ユーロを投資。フル稼働後の年間売上は5,000万ユーロを超える見通し。マラガの両工場には現在、約400人の従業員がいる。

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