ANA 世界初、グループ全客室乗務員がiPadを携行 

2011年9月20日 16:40

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ANA 世界初、グループ全客室乗務員がiPadを携行(画像提供:ANA)

ANA 世界初、グループ全客室乗務員がiPadを携行(画像提供:ANA) [写真拡大]

 全日本空輸(ANA)は20日、2011-2012年度ANAグループ中期経営戦略で掲げている『グローバル化への挑戦』・『更なる経営効率向上の実現』の具現化として、今回、ANAグループ客室乗務員のマニュアルを電子化し、世界で初めて、ANAグループ全客室乗務員(約6,000人)へ、iPadを1人1台配布することを決定したと発表した。

 「iPadの活用により、より早く、より広く、より深く、安全・サービスに関する知識の習得が可能となる。また、映像を活用することにより、文字では出来なかった、サービスイメージの共有が可能となることから、客室乗務員個々のサービス水準の向上が図れる。更に、お客様からのご要望を、従来にないスピードで共有し、サービスに反映していく仕組みや、映像を活用したご案内等、新たな発想で、お客様とともに、サービスを創造していく」と同社はコメントしている。

 乗務マニュアルの電子化により、客室乗務員は従来の紙マニュアルに替わりiPadを携行することで、最新マニュアルをいつでもどこでも参照できるようになる。その結果、乗務前の円滑な準備と知識習得が容易になり、より「安全・安心」なサービスを実現できるようになると同時に、ペーパーレス化により印刷費用を削減でき、エコ・ファースト企業として、「人にやさしい、地球にやさしい」環境へ寄与する。また、年間数百ページにおよぶ乗務マニュアルの配布・差し替え作業も効率化が可能になる。

 また、現行の集合形式中心の教育訓練からiPadを活用した自己学習形式を取り入れることで、訓練施設に出社せずとも知識習得が可能となる。訓練・教育教材を電子化することで、より容易に「いつでも、どこでも」知識習得が可能となり、訓練期間の短縮を実現する。

 さらに、音声や動画を活用した乗務マニュアルや業務ノウハウを共有できる教育教材を作成、iPadに搭載することで、客室乗務員の業務習熟の早期化とスキル向上をサポートする。

 乗務マニュアルへの書き込みや参照がし易いといった使い勝手の良さや、起動時間が早く長時間の利用が可能であるといった機能性、持ち運びに便利であることや、今後の更なる業務改革をスピーディーに対応できる機動性を高く評価し、今回、iPadの導入に至った。さらに、ソフトバンクテレコムのクラウドサービスとの連携により、業務改革の確実な実行と、iPad携行時の高い情報セキュリティーの確保を実現する。

 今後、2011年10月から、一部の客室乗務員(約700人)による運用トライアルを開始し、2012年4月から全客室乗務員がiPadを携行する。

 「競争激化が予想される航空業界で『勝ち残る』ために、従来の概念にないツールの導入により新たな発想でお客様と共にサービスを創造し、『アジアNo.1』のエアラインを目指して今後も経営改革を加速していく」と同社はコメントしている。

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