ガラスは固体だが、通常の固体とは本質において異なる 東大と東北大が研究
2017年11月5日 08:12
ガラスは身近なマテリアルでありながら、謎の多い存在である。しかし今回、東京大学と東北大学の共同研究グループは、ガラスは通常の固体とは異なる分子震動パターンを持つ、という事実を明らかにした。これは、ガラスの振動特性に関する長年の議論に終止符を打つものであるという。
【こちらも】19世紀以来の謎「ガラスの基本構造」が解明される
ガラスは流れる性質を持つ。人間の寿命の範囲で観測できるような現象ではないのだが、数百年、千年単位のタイムスケールでいうと、そういうものであるらしい。
であるので、ガラスは実は液体なのだとか、いややっぱり固体なのだとか、長年に渡り議論されてきた。最近の主流としては、固体であるとする説の方が有力である。
ところで、ガラスは固体かもしれないが、結晶体ではないらしい。物理学の世界の考え方でいうと、多くの固体は結晶体だが、ガラスだけは違うのだという。つまり、固体には結晶体とガラスの2種類があるのだ。
固体は静的であるように見えるが、実際には中の分子は絶えず振動運動を行っている。結晶体もガラスもそのこと自体は変わらない。
だが、通常の固体の震動パターンがデバイ則に従う音波であるのに対し、ガラスの振動には、もう一つの特徴がある。ガラスは、通常の音波振動と、それとは法則の異なる、局在化した振動パターンとを持っていたのだ。その事実を、大規模なコンピュータシミュレーションによって解き明かしたのが、今回の研究である。
ガラスの熱容量、熱伝導率などの特異性も、これに依存するものであるらしい。今後、ガラスの固体物性について、新たな理論が構築されることが期待される。
なお、研究の詳細は、Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of Americaというジャーナルに掲載されている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)
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